10年未満で開業している医者は要注意

学会専門医資格を取得するには、通常、医者になってから6年程度かかります。

しかし6年ではまだ「よちよち歩き」の状態です。例えば、外科では6年目ではまだ一人で手術などはできません。

書影
武井智昭『寿命格差という罠』(日東書院本社)

一人前の医者になるには、その後にしっかり臨床経験を積み、最低でも10年はかかります。この10年間で、様々な症例を経験し、診断能力や治療技術、そして患者対応のスキルや他のスタッフと協調して患者さんを診ていくこと、患者さんの生活に思いをせるなどの、医学以外の生活面への配慮などが身につくのです。

逆に、10年未満の経験で開業している医者には注意が必要です。十分な臨床経験がないまま開業している可能性があり、複雑な症例や急変時の対応、患者さんの接遇やクリニックのマネジメントにも不安が残ります。

医者もキャリアが重要であり、そのキャリアの延長線として今のクリニックの院長という立場がふさわしいのかどうかを見極める必要があります。研修医時代から形成外科一辺倒だった医者が、いきなりプライマリケア(総合診療)のクリニックを開業するというのは、無理があります。同じ医者でも、カバーする範囲が違いすぎるのです。

病院やクリニックのホームページを見ると、たいていは医者のプロフィールが紹介されています。事前にチェックして、医者を見分ける目安にしてください。

不安を感じたら投げかけるべき質問

経歴が分からずに受診した場合も、次のような医者には気をつけてください。

【「でもしか」開業した医者の判断ポイント】
・自由診療を積極的に勧めてくる
・たくさんの検査や薬を使おうとする
・患者さんの経済状況を気にせずに治療を提案する
・質問しても答えられない
・会話もそこそこに、早く診療を終えたがる

もし、医者と会話ができるなら、「先生は、なぜクリニックを開業されたのですか?」「最近、GLP-1という糖尿病の治療法が発表されたそうですね」などと話を振ってみるのも一つの方法です。

開業理由は、信念を持って開業したかどうかを見分けるのに効果的ですし、最新の治療法を知っているかどうかで医療への姿勢が判断できます。

質問にあやふやな回答しかできない医者は、多忙を理由に学会や研修会に参加することもなく、医学論文や専門書を読んで知識を更新することもないでしょう。

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