短所はどうすれば長所に変わるのか。ニトリHD代表取締役会長の似鳥昭雄さんは「コツコツ貯めてきた貯金が一晩でなくなることがあったが、泣いて落ち込んだのも一晩だけで翌日にはアルバイトに精を出す生活に戻った。私は忘れ物だけでなく、苦しみとか失敗といった心の痛みも、悩みはしますが、すぐに忘れるところがある」という――。

※本稿は、似鳥昭雄『発達障害の私だからこそ、成功できた』(祥伝社)の一部を再編集したものです。

棚の上の壊れた貯金箱
写真=iStock.com/malerapaso
※写真はイメージです

ジムに通い、少しだけ人生が上向いてきた

いつまでもいじめられる側では、この先の人生は好転しようがない。高校生になった私はそう考えました。そうして、家業の手伝いとアルバイトで稼いだお金でボクシングジムに通い始めます。もちろん、親には内緒。目的はボクサーになるためではなく、ケンカに強くなるためです。

ジムでのトレーニングは想像以上にキツいものでした。縄跳び、腹筋、サンドバッグ、シャドーボクシング、ミット打ち……。

でも、小学生の時からやってきた家業の手伝いや冬場の雪下ろしのおかげで、基礎体力はあったのでしょう。だんだんと強くなっていく実感がありました。

不思議だったのは、ボクシングの練習中は飽きることなくじっくりと集中できたこと。ひたすら繰り返し行なう動作によって、雑念がなくなるような感覚がありました。

結局、親にバレたので1年間であえなく退会しましたが、それでも「サシでのケンカなら負けない!」くらいの自信はつきました。

一方で、学校の成績は相変わらず振るいません。高校入試はどこも不合格でしたが、受験で落ちた高校の校長先生に米1俵を届けて頼み込んだところ、補欠合格となりました。補欠入学なので勉強には当然ついていけず、高校1年生の時は60人中58番目。しかも、私より下だった2人はすぐに学校を辞めてしまったので、事実上のビリです。

それでも、ジムに通ったりもしたし、この頃には少しだけ人生が上向いてきた感覚がありました。