つらくて泣いても、翌朝にはケロリ
私も母からその仕組みを聞かされていたので、幼い頃からの貯金と学生時代のアルバイトで稼いだお金を無尽に貸し付けました。ところがそのタイミングで、無尽からお金を借り受けた家族が夜逃げしてしまったのです。母に泣きつきましたが、どうにもなりません。
おばあさんの肩を1時間叩いて5円、摘んだワラビをご近所に売り歩いて10円、米の配達1回で10円……とコツコツ貯めてきた貯金が一晩でなくなってしまった。泣いても泣ききれませんでした。
ただ、泣いて落ち込んだのも一晩だけ。朝になるとカチッと気持ちが切り替わり、アルバイトに精を出す生活に戻ったのでした。発達障害の人には、感情の波が激しい傾向があるといいます。急に怒ったと思えば、今度は泣いていたり、笑ってケロッとしていたり……。私のエピソードは、これにぴったり当てはまります。
忘れ物がとにかく多いとお話ししましたが、私が忘れるのはモノだけじゃないのです。苦しみとか失敗といった心の痛みも、悩みはしますが、すぐに忘れるところがあります。覚えていようと思っても、忘れてしまう。この「忘れっぽさ」は、「切り替えが早い、引きずらない」とも考えられますよね。
道内の名門大学に合格、ナンパ師に弟子入り
2年間の短大生活があっという間に終わりに近づいた頃、私はもう少し学生生活を満喫したくなって大学編入試験に挑戦しました。受験したのは北海道では名門と言われる北海学園大学です。
とはいえ、残念ながら自分の実力で合格できる自信はありません。試験科目は英語と経済学です。経済学は自分でなんとかしようと猛勉強したものの、英語はカンニングに頼れないかと画策。同じ編入試験を受ける友人に、英語の答案を見せてくれるよう頼み込んだのでした。
ところが、試験当日。その友人は問題を解くのに必死で答案を見せてくれず、カンニングは未遂に。合格はないな……と諦めながら合格発表の日を迎えたのですが、なんと驚くことに合格していました。経済学が70点で英語が5点という成績でしたが、「両方合わせて70点」が合格ラインだったのです。
それまでとにかくいじめられ、バカにされてきた私は、道内の名門大学に入ったことで周囲を見返したような気持ちになれました。
そんな晴れやかな気分も束の間、私はすぐにまた、別の大きな悩みに直面していました。それは「女性と話すことができない」という問題です。元々、人と話すのが苦手な私。当然、中学高校短大とガールフレンドは1人もいませんでした。そもそも女子と一緒に遊びに行ったことすらなかったのです。
このままではダメだと思った私は、ナンパ師に弟子入りしたのでした。

