ベタベタした人間関係は敬遠する

また、こちらが聞いてもいないのに、自分の込み入った事情までペラペラしゃべり、「自分はこんなに腹を割って話したのだから、あなたも包み隠さず教えてくれなくちゃ」と勘違いしている人もいます。

いずれにしても、シニアが新しい友だちをつくろうというときのポイントは、不用意に相手の事情に深入りしないこと。

なぜなら、長い人生を歩んできた道のりには、たとえ親しい相手にでも触れてほしくないこともあるからです。そこにいきなり土足で踏み込まれるような思いはしたくないに決まっていますよね。

シニアの人づきあいの鉄則は、「適当な距離を保ちつつ、細く、長く」です。ベタベタしたつきあいは避けるに限ります。

「友だちをつくろう」と意気込むのは危険

最近、テレビや新聞で取り上げられている話題に「あおり運転」があります。前方を走行する自動車やオートバイに危険な嫌がらせをするもので、最も多いのは極端に車間距離を詰めて道を譲るように強要するケースです。

シニアはスピードをあまり出さずに運転することが多いため、この被害に遭う場合も少なくないようです。

しかし、こと人間関係となると、あおり運転とは逆に、シニアのほうが気がつかないうちに距離を詰め過ぎてしまうケースが少なからずあります。

とくに注意したいのが、シニアになってから友だちをつくろうと頑張っている場合です。

あちこちから「そのままでは孤独な年寄りになってしまいますよ」という情報が入ってくるので、居ても立ってもいられなくなるのかもしれません。

しかし、頑張って友だちづくりをしようとすればするほど、人は遠ざかっていくものです。

「私が友だちになりたいと思っているのだから、相手も同じ気持ちであるに決まっている。だから、うまくいくに違いない」と、勝手に考えがちです。

野外運動の前にストレッチをする男性
写真=iStock.com/kumikomini
※写真はイメージです

このように自分自身を分析して、自分の行動の結果を予想することを「自己スキーマ」と呼びます。

本来、自己スキーマは客観的に自分自身を分析して考えるものですが、歳を重ねるにつれ、自分に都合のいいように考えがちです。その結果「うまくいくに違いない」と思い込んで、了承も得ずに相手の世界にズケズケと立ち入ってしまうのです。

自分の周りにこんな人がいたら、友だちになるどころか、挨拶だってしたくなくなると思いませんか。