台湾政府は現地時間5月22日、米国による140億ドル規模の武器供与パッケージ凍結の決定について事前に通知を受けていなかったとコメントした。
米海軍長官代行のハン・カオは21日の上院公聴会で、台湾への武器売却に関して「対イラン戦に必要な弾薬を確保するため、一時停止している」と発言した。これに対し、台湾総統府の郭雅慧報道官は地元メディアに対し、頼清徳総統率いる政権は、カオの発言を把握しているものの、武器取引に変更があったとは認識していないと述べた。
この武器供与は、数カ月にわたりドナルド・トランプ米大統領の承認待ちとなっている。
米国は台湾と正式な外交関係を持たないが、中国による軍事的圧力が強まるなか、数十年にわたり台湾への主要な武器供給国となってきた。中国は台湾を自国の一部と主張し、必要であれば武力によって統一すると表明している。
中国外務省の郭嘉昆報道官は現地時間5月21日、北京での定例記者会見でこう述べた。「中国は、米国による『台湾地区』への武器売却に断固反対する」
トランプは先週の訪中前、この問題について中国の習近平国家主席と協議すると語っていた。また帰国後には、頼とも協議する考えを示した。いずれも、台湾海峡を巡る長年の米国政策からの転換となる可能性がある。
カオは現地時間5月21日、上院歳出委員会国防小委員会で、台湾向け大型武器供与の一時停止について、イランとの戦争が再び激化した場合に備えて兵器備蓄を維持するためだと説明した。
すでに台湾を裏切っているトランプ
「現時点では、『エピック・フューリー(壮絶な怒り)』に必要な弾薬を確保するため、一時停止している。備蓄は十分にある」とカオは述べた。そのうえで、対外有償軍事援助(FMS)は「政権が必要と判断した時点で継続される」と付け加えた。
トランプ政権は、米軍がドローンやミサイルによるイランの報復攻撃を迎撃するため予想以上に多くの迎撃ミサイルを消費したとの米報道について、兵器備蓄が不足している可能性を繰り返し否定している。
米国とイスラエルは2月28日にイランへの攻撃を開始し、その後約2カ月間にわたり交戦を続け、4月7日の一時停戦まで戦闘が続いた。
トランプは台湾への武器引き渡しが遅れていること自体は認めているが、中東での戦争との関連性には言及していない。中国の習近平国家主席との首脳会談後には、台湾への武器売却は「中国政府との今後の協議で非常に有効な交渉材料になり得る」と述べた。

