時価総額20兆円の世界的ブランドに
【藤吉】以前、ファーストリテイリングがアパレル業界の時価総額で世界第3位になったときにインタビューしたことがあるんですが、そのときは「世界3位になれるとは自分でも思わなかった」と仰ってたんです。ところが最近、ある新聞のインタビューで「なぜ1位になれないんだ」と部下たちを叱咤していると答えていて、さすがだなぁ、と(笑)。
今やユニクロは時価総額20兆円に達していて、国内約800店舗、海外では実に約1800店舗を展開しています。完全に世界のブランドになりましたよね。ここまで大きくなると思われてましたか?
【阿部】それは思わなかったし、思おうともしなかった。海外事業だって僕は最初、反対したんですよ。2001年に最初にイギリスに出店したときに「柳井さん、イギリスで成功するのは難しい。やめたほうがいい」と言ったんです。
【藤吉】本当に言ったんですか(笑)。
ロンドンでの失敗、そしてNYの五番街へ
【阿部】実際に最初は失敗しました。ロンドンの店舗は一部を残して1年半で撤退した。ところが柳井さんがスゴいのは、そこで諦めないんだよね。失敗の原因を分析して、海外では安くて品質もいいだけではダメなんだ、と。そこで気鋭のデザイナーを起用して、商品にしっかりとした思想とか物語を乗せて、ユニクロというブランドを欧米で再構築したんです。
さらに柳井さんが面白いのは、よりによってニューヨークのフィフス・アベニュー(五番街)に店を出したんだよね。
【藤吉】ニューヨークでいちばんの目抜き通り、もはや世界的なアイコンですよね。
【阿部】銀座でいえば和光みたいな場所。だから僕なんかはニューヨークの店に入ると、感動しちゃうんですよ。ニューヨークに駐在していたから、そこがどういう場所かもわかっているし、そこに日本のユニクロがあって、アメリカ人が大勢買いにきているというのは、やっぱり普通のことじゃないですよね。ファッションのブランドとして認知されたということだから。



