脳の血流量が30%も減る

よく「日本人は姿勢が悪い」と言われます。特に多いのが猫背で、日本人男性の60%以上、女性の場合も55%以上が悩んでいるそうです(スポーツ器具メーカーのエバニュー調べ)。

猫背で脳の血流量が30%も減る
写真=iStock.com/Stanislav Tarasov
猫背で脳の血流量が30%も減る(※写真はイメージです)

「猫背でも死ぬことはない」なんてうそぶく人もいるでしょうが、猫背になって頭がわずか10度前に傾いただけでも、脳へ送られる血流量が30%も減ります。脳は栄養と酸素の大食漢ですから、30%も血流量が減ったら満足に働かなくなってしまいますね。

そんなことが起きないように、ウォーキングで姿勢を良くするのと同時に、脳への血流量を増やしてやる必要があるのです。

この30%を取り戻すことができると、脳は劇的に変わります。

「1日1万歩」は無理

「1日1万歩なんて、とても歩けないわ」と、近所の奥さんがこぼしていました。

でも、1万歩という数字は、どこから出たのでしょうか。

「1日1万歩の歩数の確保が理想と考えられる」と書かれているのは、厚生労働省のホームページです。これは6~7キロの距離に相当します。なんだか医師の私から見ても、高すぎる理想としか思えません。

実際、「国民健康・栄養調査」の結果でも、65歳以上のシニアの1日の平均歩数は男性5396歩、女性4656歩なので、理想の半分ほどにとどまっています。

しかも「1日1万歩」という数字は「根拠がかなり曖昧で科学的ではない」という声も多いのです。

ウォーキングについて研究をしている信州大学学術研究院医学系特任教授の能勢博博士は、「1日1万歩を1年間続けた人は30%しかいない。しかも、生活習慣病の予防・改善効果はみられても体力の向上は認められなかった」といいます。また、群馬県中之条町で、65歳以上の約5000人を対象にした20年近くの研究があります。その内容は、1日の平均が8000歩以上で、そのうちその人にとっての早歩きを20分以上すれば、健康の維持や増進、健康寿命を延ばす効果があるとわかったそうです。