シニア世代がやるべき運動はなにか。医師の保坂隆さんは「脳の活性化につながる有酸素運動がいい。その中でも『ケガをする可能性が最も低い』運動をおススメする」という――。

※保坂隆『70代でも元気に歩ける ゆるウォーキングのコツ』(三笠書房)の一部を再編集したものです。

「ランニングの方がウォーキングよりいいはず」という思い込み
写真=iStock.com/Mikolette
「ランニングの方がウォーキングよりいいはず」という思い込み(※写真はイメージです)

ウォーキングは立派な運動

「ランニングは立派な運動だけど、ウォーキングくらいじゃ、とても運動とは言えないね」なんて思い込んでいませんか。

しかし、実際にはウォーキングも立派な運動です。ランニングに匹敵する、いや場合によっては、ランニングをしのぐほど優れた有酸素運動だと私は思います。

有酸素運動というのは、身体に軽~中程度の負荷を長時間かけ続ける運動です。

体内に取り込まれた大量の酸素で脂肪が燃焼するため、“有酸素”運動と呼ぶわけです。

脂肪を効率的に燃焼させられるので、ダイエットや血圧を下げるといった効果に注目が集まりがちでした。でも、最近は酸素を大量に取り込むことが脳の活性化につながることから、脳の機能や認知レベルの低下が心配なシニア層から熱い視線が注がれています。

有酸素運動にはランニングや水泳、サイクリング、ストレッチなどもありますが、最も手間がかからず簡単にはじめられる点で、ウォーキングに勝るものはないでしょう。

しかも、簡単にはじめられるのに、反応速度や記憶力の向上という大きな効果が認められているのです。

と、ここまで話しても、「ランニングの方がウォーキングよりいいはず」という強い思い込みを捨てられない人もいるでしょう。

たしかに、ランニングの方が優れている部分もあります。特にカロリー消費量については圧倒的に有利です。仮に、体重70キロの人が時速10キロ程度のゆっくりしたペースで30分ランニングをすると、約350キロカロリーを消費できます。