「毎日ウォーキング」で脳が若返る
博士は60~75歳の複数の男女に協力してもらい、一部の人にだけ毎日ウォーキングをするように頼みました。そして半年後に、ウォーキングをしなかった人たちと脳の反応時間を比較したら、毎日ウォーキングをした人たちの反応時間は、ほとんど半分になっていたそうです。
ちなみに、博士はストレッチでも同じ実験をしてみました。ストレッチも「健康のために良い運動」と考えられていますが、ウォーキングで見られたような反応の速さはまったく見られなかったそうです。
また、神経科学者のディブ・ラビン博士の研究では、定期的なウォーキングを半年間続けたら、参加者の記憶力が明らかに向上したのです。
毎日ただ歩くだけで、ストレッチや脳トレよりも良い影響が生まれたと知って驚いた人もいると思います。それは「歩くのは簡単なこと」と思っているからではないでしょうか。
普段、私たちは当たり前のように歩いていますが、スムーズに歩くためには脳のあちこちの部位が協調する必要があります。こうした脳の協調は、神経細胞のネットワークが迅速かつスムーズに働かなければ実現できません。
「毎日ガムを噛む」と知能指数が上がる
つまり、ウォーキングをするということは、脳の協調性を鍛えているのと同じことなのです。
だから、半年間で脳の反応時間や記憶力が改善されたのでしょう。
これに加え、ウォーキングによって脳への血流量が増加したことも、機能改善につながった理由と考えられます。
以前、幼稚園児と小学生に毎日ガムを噛んでもらう実験があったのですが、2週間続けたら、「知能指数が明らかに上がる」という驚くべき結果が出ました。これは、噛むことで脳の血流量が増えたからと考えられています。つまり、これと同じことがウォーキングでも実現できたというわけです。

