無視された「安全航行」の警告
なぜ「平和丸」は海保の救助活動を信頼しなかったのか。それは、「不屈」「平和丸」の両船が“抗議船”という特殊な性質を持っていたからに他ならない。
辺野古の基地拡張工事に反対する任意団体「ヘリ基地反対協議会」は、「不屈」や「平和丸」を用いて海上での抗議デモを行ったり、米軍基地に反対する野党系の政治家、活動家、マスコミ関係者らを乗船させたりして、工事の視察や監視を行っていた。そのため、警戒・警備を担う海上保安庁とは日常的に対立的な関係にあったのだ。
事故発生当時の気象・海象は、快晴で視界は良好だったものの、毎秒4メートルのやや強い風が吹き、波浪注意報が発出されていた。そのため海保のボートは、「不屈」「平和丸」に並走しながら、「波が高く、危ないので注意してください」などとメガホンで安全航行を呼びかけていたという。しかし、「不屈」も「平和丸」も海保の注意に従おうとはしなかった。
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