産業革命以降の人類は、自分たちが住む環境を大きく変えてきた。それは地盤にも何らかの痕跡を留めるものなのだろうか?

『私たちは人新世に生きているのか 地層が語る真実』加 三千宣 著 化学同人/1700円+税
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こうした問いに地質学の立場から答える研究が進められている。46億年に及ぶ地球の歴史は、生物の大量絶滅によって大きく区分されている。ホモ・サピエンスが暮らす地質年代である「新生代」の後半は「第四紀」と呼ばれる。その最終時期は約1万年前に始まる「完新世かんしんせい」だ。

冒頭の問いに従い、人間活動が地層へ残した物質的な証拠を探す研究が始まった。折しもノーベル化学賞を受賞した大気化学者パウル・クルッツェンが産業革命以降の地球環境の悪化を憂え、「人新世じんしんせい」という言葉を2000年に提唱した。その後、地質年代として人新世の必要性を求める機運が高まり、23年に国際地質科学連合(IUGS)に提案されるに至った。そう、人新世という言葉はよく知られているが、科学的な定義がされていなかったのだ。

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