都会的な東急電鉄、庶民的な京王電鉄

街のレベルと同じように、私鉄沿線エリアにもそれぞれの“個性”が醸成されていきます。

今度はもう少しスコープを広げて、首都圏の私鉄沿線のイメージ、エリア特性を見ていきたいと思います。

はじめに、各社沿線地域のイメージについて、ざっくり整理しておきましょう。

普段使っている生成AIに「首都圏の主要私鉄のイメージ」を尋ねてみたところ、図表4のような回答が返ってきました。

【図表4】私鉄沿線:地域イメージ
出典=『なぜ日本人は、それを選ぶのか?』(朝日新書)

沿線のイメージや特徴について、世間一般の評価としては「なるほど」と思うところもありますが、実際のところはどうなのか、どこまでデータで裏付けできるのか、が気になるところです。

エリア滞在者数で見えてくる沿線格差

モバイル空間統計データは全国を経緯度により等分した約500m四方のメッシュ区画を基本集計単位としており、この区画に滞在した人数を1時間ごとに推計したものとなっていますので、同時間帯であれば複数メッシュ区画の合算が可能です。

“沿線データ”の集計方法としては、各路線の沿線にかかるメッシュ区画をすべて洗い出してその滞在者数を合計する方法もありますが、今回は沿線の各駅についてその駅を含む約1㎞四方を「駅勢圏」とみなし、各時間帯でのエリア滞在者数を路線ごとに合算するかたちをとりました。

図表5は、

・東急電鉄 東急東横線、東急田園都市線
・小田急電鉄 小田急小田原線
・京王電鉄 京王線、京王井の頭線
・西武鉄道 西武新宿線、西武池袋線

について、沿線エリア滞在者の平休日別の時間推移を図示したものです。

【図表5】私鉄沿線エリア:滞在者数 時間帯推移(2024年7月~2025年6月、平日・休日別)
出典=『なぜ日本人は、それを選ぶのか?』(朝日新書)

7路線いずれにおいても、平日は通勤時間帯である8時台から滞在者数が大きく増加し、夕方18時台をピークに減少に転じる傾向は同じですが、日中14~16時台には平日よりも休日に滞在者数が大きくなる路線が幾つか見受けられるのと、平日と休日のギャップの大きさには路線によってかなり幅があることもわかります。