モノが売れない時代にもかかわらず売り上げを40年にわたって伸ばし続けるセブン-イレブン。創設者である鈴木敏文氏の黒字につながるアイデアはどこから生まれてくるのだろうか。その発想の原点に迫った。

利益の源は、顧客の心理の中に埋まっている

セブン&アイ・ホールディングス代表取締役会長兼CEO 鈴木敏文氏

経済もビジネスも人間の心理をもとに考える。感情や心理の世界にいる顧客に対し、売り手は理屈で接してはならない。それがセブン&アイグループを率いる鈴木敏文会長の持論だ。

顧客心理は常に変化するが、売り手はその変化が見えなくなってしまう。その理由を鈴木氏は、こんな例をあげて説明する。

「例えば、私は週末、よくゴルフに行きます。人間、年をとればだんだんと体力も落ちて、前と同じ飛距離が出なくなります。ところが、自分では体力の変化に気づきにくい。あるいは、昔は飛んだという成功体験があるため、変化を容易に受け入れられない。そのため、『こんなはずじゃない』と思ってしまう。これは、売り手の意識と顧客の心理にあてはまります。とかく売り手は過去の経験に縛られ、顧客心理の変化が見えなくなってしまうのです」