昭和の成功体験に縛られるテレビ業界

テレビ・インターネットのメディア業界は、視聴者・ユーザーに無料サービスという消費者余剰を広く提供しつつ、同時に、制度・規制やネットワーク外部性に基づく情報レントを享受でき得るというやや特殊な業界です。

準備中のテレビスタジオ
写真=iStock.com/Grafissimo
※写真はイメージです
森生明『会社の値段[新版]』(ちくま新書)
森生明『会社の値段[新版]』(ちくま新書)

この視点で日本の地上波テレビ放送業界を眺めると、日本企業が、規制業種レントの超過利潤で不動産資産を蓄え、無料放送で大衆に消費者余剰を提供してきた古き良き昭和の事業スタイルを、バブル崩壊後も変革せずに時代変化を乗り切ろうとしているうちに、米国企業は、情報レントの超過利潤をテクノロジー・IP(Intellectual Property、版権・著作権などの知的財産権)投資に振り向けてメディア業界の構造そのものを進化させた結果、両者に大きな差が生まれてしまった、ということになります。

政府規制が緩く業界を跨いだ業界再編が自由にできる米国企業ディズニーと、放送免許制の下、政府(総務省)の監督下に置かれているフジを同じ土俵で論じるのは酷ではあります。しかし、時代の変化を読めず、制度に守られ、過去の遺産にしがみついて延命しようとするような経営者は退場し、米国のように通信・ネットやエンターテイメント業界を含めた業界再編を促進すべし、これがファンドの言い分なのでしょう。

【関連記事】
手作り弁当550円、おにぎりは今でも110円…セブン、ローソンがマネできない吉祥寺「個人コンビニ」の地味な戦略
「Fランク大学卒を採用してハズレたことがない」そう断言するひろゆきが履歴書で必ず確認すること
「日本の新幹線」を売らずに済んでよかった…「走るほど大赤字」インドネシア新幹線を勝ち取った習近平の大誤算【2025年9月BEST】
「出光は社員を1人もクビにしない」経営難でも1000人以上を雇い続けた出光佐三の不動の"経営哲学"
習近平が最も恐れる展開になる…高市首相が切り出せる「日本産水産物の輸入停止」への3つの対抗手段【2025年11月BEST】