JAは本当に不要な組織なのか
一昨年、米不足や米価高騰が取り沙汰されて以来、さまざまなメディアや一部の専門家が「JAという巨大組織が暴利を貪ることで生産者を苦しめ、ひいては米不足もたらし、さらには米価を高騰させて国民に不利益をもたらしている」などと、JAを強く批判し続けています。
最近では、ついに「JA不要論」が唱えられるまでになってきました。ただし、その内容をよく読むと、「JAを解体すればいい」というざっくりした主張ばかり。JAが担っている多数の不可欠な役割に関して、どういう点が問題だとか、どう代替するかといった具体的な意見は極めて少ないといえます。
どうして、JAはこんなに長く激しい批判にさらされ続けているのでしょうか。それらの内容は妥当で、本当にJAは不要なのでしょうか。現時点でJAが担っているさまざまな役割を踏まえたうえで、きちんと検討する必要があります。
農家が支え合うための協同組合
そもそも、JA(農協)の正式名称は「農業協同組合」です。よく誤解されていますが、JAは公的機関でも民間企業でもありません。農家が力を合わせて支え合って農業を行うための協同組合なのです。だからこそ、組合長は原則として農家が務めています。そして、JAは次のように幅広い役割を担っているのです。
■ 農産物の流通・販売
農家が生産した米や野菜、果物などを集荷し、品質や安全性をしっかりチェックした上で、卸売市場や量販店などへ販売。個々の農家では難しい大口取引や販路開拓を行い、生産者と消費者を結びつけています。
■ 生産資材の供給
肥料や農薬、飼料、農業機械などを共同購入し、農家へと供給。共同購入によってコストを抑えながら、安定した調達を支えています。
■ 営農指導
栽培技術や病害虫対策、経営改善などについて専門職員が助言を行います。農家が安定して生産を続けられるよう支援する重要な役割です。
■ 金融・保険サービス
JAバンクによる貯金や融資、JA共済による保険事業を運営。農業資金だけでなく、住宅ローンや生活資金、万一に備える保障などで暮らしを支えています。
さらにJAは、スーパーや直売所、ガソリンスタンドなどの運営、健康相談、食育活動、高齢者支援、防災協力などを通じて地域社会を支えています。特に人口減少が進む地方では、暮らしを支えるインフラとしての役割も担っているのです。


