プロ野球西武の主催試合で、永久欠番の「24」をアイドルグループが着用してセレモニアルピッチを行い話題となった。スポーツライターの広尾晃さんは「昭和の大選手を『永久欠番』に設定しても、球団の有効なプロモーションにはならない、という現実がある」という――。
巨人時代の張本勲さん=1978年
写真提供=共同通信社
巨人時代の張本勲さん=1978年

アイドルが背負った稲尾和久の永久欠番

2026年8月18日、東京ドームで行われたプロ野球西武の主催試合・オリックス戦でセレモニアルピッチを行ったガールズグループ「ME:I(ミーアイ)」のメンバー7人全員が、球団の永久欠番である背番号「24」をつけてマウンドに上がったことが話題になった。

「24」は、昭和中期、ヴィクトル・スタルヒン(元巨人ほか)に並ぶシーズン最多タイの42勝を挙げるなど、前身となる西鉄ライオンズの黄金期を支えた大投手・稲尾和久の背番号だ。

西武は、稲尾の生誕75年に当たる2012年に稲尾の「24」を永久欠番にし、セレモニーも行った。西武ドーム(現ベルーナドーム)には「稲尾和久24」という看板が掲げられていた。この看板は2020年に降ろされたが、稲尾の「24」は依然としてライオンズの永久欠番であるはずだ。その背番号をセレモニーとはいえ、アイドルグループがつけるとは……。

筆者は、ファンが猛烈に抗議すると思っていた。確かにコメントの中には「けしからん」という声もあったが「稲尾も喜んでるんじゃない?」「別にいいんじゃない?」という声も多かった。そもそも「稲尾ってだれ?」という声が大きかったように思う。