2週間まとまった有給休暇を申請したら、会社は拒否できるのか。日本人の有給消化率は世界でワースト2位にとどまる。弁護士の横山佳枝さんは「会社が有給取得の時季を変更できるのは『事業の正常な運営を妨げる場合』に限られる。単に人手不足や繁忙期というだけでは拒否できない」という――。
※本稿は、横山佳枝『ブラック就業規則』(東洋館出版社)の一部を再編集したものです。
「2週間は長すぎる。1週間にしろ」と言われたら
旅行に行こうと思い、2週間の有給休暇を申請しましたが、上司から「2週間は長すぎる。1週間にしろ」といわれました。確かに、就業規則には、「労働者が請求した時季に年次有給休暇を取得させることが事業の正常な運営を妨げる場合は、他の時季に取得させることがある」とされています。このような会社の指示に従わなければならないのでしょうか。
会社は、労働者の請求する時季に年次有給休暇(年休)を与えなければなりません。ただし、請求された時季に年休を与えることが事業の正常な運営を妨げる場合には、会社は、取得日の変更を求めることができます(いわゆる「時季変更権」の行使)。
時季変更権の行使に際して、会社は、できる限り従業員が希望する年休を取得できるよう配慮する必要があり、何ら調整もせず、一律に有給休暇の取得期間を短期にするよう命じることは許されないと考えられます。
年休はパートでも正社員でも、要件を満たせば必ず発生する
労働基準法では、6カ月継続勤務し、全労働日の8割以上出勤した労働者には、法所定の日数の年休を与えなければならないとされています。年休は、労働者の心身の疲労を回復させ、休息をとる権利を確保させることを目的とするものであり、業種、業態を問わず、正社員かパートなどの区別なく、上記の要件を満たした場合に当然に発生します。
週の所定労働日数が5日以上または週の所定労働時間が30時間以上の場合、勤続6カ月で10日、1年6カ月で11日、2年6カ月で12日、3年6カ月で14日、4年6カ月で16日、5年6カ月で18日、6年6カ月で20日の年次有給休暇が付与されます。

