「時季指定権」と「時季変更権」の関係

労働者は、年休の発生要件を満たした場合、年休を取得する時期を特定することができ、これを「時季指定権の行使」といいます(「時季」には、季節の指定と具体的な時期の指定の2つの意味が含まれます)。これに対し、会社は、労働者が請求した時季に年休を与えることが事業の正常な運営を妨げる場合には、他の時季に変更することができ、これを「時季変更権」といいます。

なお、平成30年の働き方改革関連法による労働基準法改正により、法定の年休付与日数が10日間以上である労働者に対し、その日数のうち5日間について、年休が付与される基準日から1年以内に、労働者ごとにその時季を指定して付与することが新たに義務づけられました。

時季変更権の要件である「事業の正常な運営を妨げる場合」については、労働者が指定した時季に年休を付与することにより、業務上の支障が生じるおそれがあることが必要です。常に人手不足の状態にあるために、代替要員を確保できないという場合には、年休取得により「事業の正常な運営を妨げる場合」にあたらず、時季変更権の行使は認められません。