テクニカル派は株価上下の理由に興味なし

テクニカル派は、株価の動きを研究して値上がり益を狙います。テクニカル派の投資家は、過去の値動きを記した「ローソク足」などが並んだチャートを分析して、次に値上がりする銘柄を探し、タイミングを計って投資します。

株価は、基本的にはその企業に関する情報をもとにして動きます。売り上げや利益が上がり、今後も上昇していくことが見込まれる業績の良い銘柄の株価は上がる傾向にあります。反対に、赤字経営が続いて今後も改善が期待できない業績の悪い銘柄の株価は下がる傾向にあります。

ただテクニカル派はこうした話にほとんど興味がありません。

テクニカル派が知りたいのは、業績や今後の事業内容や世界情勢ではなく、「今日値上がりするか」。なぜなら、短いスパンでの売買では、他の投資家の動向が値動きにより大きな影響を与えるからです。

イギリスの有名な経済学者、ケインズは株式投資を「美人投票」にたとえました。美人投票で誰が選ばれるかを当てたいのであれば、自分が一番美人だと思う人を選んでいてはだめ。「みんなが美人だと思う人」を選ぶ必要があるという考え方です。

株もそれと同じで、自分が一番欲しい株よりもみんなが欲しいと思う株を選ぶことが大切です。テクニカル派の人は、株価のチャートやさまざまなテクニカル指標を利用して他の投資家との間で心理戦を展開し、値上がりする銘柄を読み合うのです。

チャートやテクニカル指標で未来は読めない

実際に株価のチャートやテクニカル指標で将来の株価を読むことができるのでしょうか。

株価のチャートには一定期間の値動きを示すローソク足が記載されています。このローソク足の高値のところを結んだ線(トレンドライン)をローソク足が下から上に突き抜けた場合、「トレンドブレイク」といって買いのシグナルだとされています。

【図表2】チャート分析の例
出典=頼藤太希『投資の解像度を上げる』(クロスメディア・パブリッシング)

確かに、これまでの高値の壁を突き破って上昇したのですから、その後さらに勢いよく上昇しそうな感じもします。図表2のとおり、うまくいく場合は確かにあります。

しかし、実際はそんなに簡単なものではなく、すぐに元に戻ってしまったり、いっそう値下がりしてしまったりすることもよくあります。