男性より女性のほうが婚約者のいる率が高い
ちなみに、勘の鋭い読者の皆さんは、どの調査年で見ても男性に比べ女性の「恋人/婚約者のいる率」がかなり高いことに気づかれているかもしれない。これにはいくつか要因が考えられる。
一つはそもそも出生する数がわずかながら男性の方が多いこと、次に18~34歳の中でも未婚者は男性のほうが多いことが挙げられる。
基本的に1対1の男女の恋人関係で、双方の母数に差があれば、母数の少ないほうで比率が高くなるのだ。
特に未婚者の人口が男性>女性となっていることは大きな要因と考えられる。
しかし、残念ながらそれだけでは完全に説明はつかない。他に考えられるのは「35歳以上の男性が18~34歳の女性と」「一人の男性が複数の女性と」「既婚の男性が未婚の女性と」といったパターンで恋人として交際しているケースが(その男女逆パターンよりも)多いことだが、果たしてそれぞれがどの程度影響しているか、調査データ上は想像の域を出ない。
話の本筋とも外れそうなので、ここでは深入りしないほうが無難だろう。
恋愛離れの正体は“友達以上恋人未満”離れ
もう一つ、勘の鋭い読者の皆さんはさらに重要なことにもお気づきになったかもしれない。図表1のグラフ上、「恋人/婚約者のいる率」のすぐ上に、男女ともに近年、激減している項目があるのだ。
「友人として交際している異性がいる率」がそれである。男性では1987年段階では23.6%もいたのに、2021年には4.7%と大幅に減少している。女性でも25.4%から6.0%までほぼ同様に減少している。
ここでの「友人として交際」は「恋人ではないもののデートはしている相手」、つまり「友達以上恋人未満」くらいのレベル感の異性がいると考えてよいだろう。
「友達に異性の人がいる」というだけでは? と思う読者もいるだろうが、他調査のデータを参照すると、そのレベルであれば男女ともに全体の3分の2程度は占めていないとおかしい。
このことからも「友人として交際している」という状態は、「もしかしたら恋人になるかも」「今はお友達から……」、というあいまいな予備軍的存在の異性という解釈が正しそうだ。
つまり、昔の若者は今の若者に比べて多くの人が「ちゃんとした恋人がいる」というわけではなく、どちらかというと「恋人じゃないけどデートする異性はいる」という人が多かった、ということなのだ。
ちなみにバブル期の90年代には、車で送ってくれたりご飯をご馳走したりしてくれる男性を指す、「アッシー君」「メッシー君」という言葉も登場している。
そのような上の世代で一定数存在した「友達以上恋人未満」という関係の是非はともかくとして、今の若者にはあまり見られない状態であることは確かだ。今の若者は付き合ってもいないのに無理にデートする相手を作ったり、求めたりしないだけ、と見ることもできるだろう。

