※本稿は、小出翔『誰もが成長し活躍する会社のしくみ』(プレジデント社)の一部を再編集したものです。
新しい「組織OS」が個人の成長をもたらす
「採用難」「離職率上昇」「組織の硬直化」……従来の組織マネジメント手法は時代にそぐわなくなりつつあり、新しい人材マネジメントが求められるようになっています。
そんな中、アメリカHR発で、人事・人材マネジメントの分野で起きている新しい潮流、それが「スキルベース組織(Skills-based Organization)」です。
この新しいアプローチは、【企業の成長】と【個人の成長】という2つの側面で、「4つのインパクト」を人材マネジメントにもたらしますが、そのうち前回記事(「上司の勘で行う"適材適所"より効果的…AIマッチング技術による"配置"が成果をあげるワケ」)では「企業の成長」の側面から2つのインパクトについて見ていきました。
本稿では、この新しい「組織OS」を導入することで、個人に起こる2つのインパクトについて解説していきます。
組織では「個人の能力」は見えなくなる
あなたの会社では、社員一人ひとりが「自分は何が得意で、どんなスキルを持っているのか」について、明確に言語化できているでしょうか? そして、経営層や人事は、そのスキルを正確に把握できているでしょうか?
残念ながら、多くの組織では、個人の能力が驚くほど「見えていない」のが現実です。
その大きな要因は、私たちが無意識のうちにとらわれている「バイアス(偏見や思い込み)」にあります。
「彼は○○大学出身だから優秀なはずだ」
「彼女はまだ入社3年目だから、この仕事は任せられないだろう」
「あの人は営業一筋だから、企画の仕事は向いていない」
「ベテランの○○さんは、今さら新しいデジタルツールは使えないだろう」
私たちは、学歴、年齢、過去の職務経歴といった「ラベル」で人を判断しがちです。もちろん経験は重要ですが、そのラベルが、その人の「今、持っているスキル」や「将来の可能性」を正確に反映しているとは限りません。



