失敗から学べる男・信長
「金ヶ崎の退き口」では退路をたたれてしまったため、危機一髪の事態に陥った信長。同じ轍は踏まぬと心に固く誓ったのか、再決戦にあたり、最前線周辺の重要かつ堅固な敵方の城を複数、事前に味方に引き入れることができた。しかも、ひとりの兵も失うことなく無傷で……。なお、上平寺城の南方にあった長比城も、これら2城と同じく調略により戦わずして味方につけている。
万が一の際にも撤退ルートは確保してある。信長は後顧の憂いのない状態で、浅井・朝倉勢との決戦を迎えた。しかし、その姉川の戦いで勝利を得た後も、対浅井・朝倉戦はここから休戦期間も経て3年も続いていく。
「信長包囲網」による四面楚歌状態もあったが、金ヶ崎の退き口で学んだ慎重さもあったはず。その端緒が姉川の戦い前の“前哨戦”だった。転んでもただでは起きぬ、失敗から徹底的に学べる天才武将。それが織田信長という男なのだ。

