部下を育てる世界水準のマネジメントの本質

適切に設定された目標は、抽象的な期待を具体的な判断基準へと変換し、部下の行動を力強く前に進めます。

評価の軸が共有されることで、組織内の公平性が保たれ、チーム全体のパフォーマンスが底上げされます。

欧米企業やグローバル企業で成果を出し続ける上司は、戦略、現場、人材という複数の視点から見て、妥当な目標を設定する能力に長けています。

彼らは単に結果を求めるだけでなく、「どのような判断が現場で求められているのか?」を明確化することで部下を育てており、これが世界水準のマネジメントの本質ということができます。

欧米企業の上司が自ら目標を設定するのに対して、日本企業の場合は、そもそも目標設定の権限が与えられていないケースが少なくありません。

大企業であれば、経営企画部が各チームの目標を設定し、中小企業ならば、社長や経営幹部から有無を言わせない目標が降りてきます。

多くの日本企業では、目標を自律的に「設計する」ことよりも、上層部から与えられた目標をいかに「達成するか」という点に重心が置かれています。

こうした環境に慣れてしまうと、どんなに優秀な上司であっても、それを「当然のこと」と受け入れるようになり、次第に何の疑問も持たなくなるようです。

ビジネスマン
写真=iStock.com/SunnyVMD
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思わず絶句した日本人の部門長の言葉

僕が遭遇した日本人上司のエピソードを紹介します。

ある外資系企業のコンサルティング案件で、僕はその地域を統括する外国人駐在員の責任者と日本人の部門長と一緒に、チーム運営の課題について議論していました。

日本人の部門長の口から、「ウチの会社には経営企画部がないから、我われはどうしたらいいかわからないんです」という愚痴というか、不満が飛び出したのです。

その言葉を聞いた瞬間、外国人責任者と僕は思わず絶句しました。

外資系企業では、マネジャー自らが担当部門の目標を設定することが大前提とされていますが、日本人の部門長は「目標が上から降りてこない」という状況に対して、強い不安を抱いていたのです。