豊田章男会長が「殿堂入り」
こうした中、米自動車殿堂(The Automotive Hall of Fame)は、「現代のモビリティに情熱を取り戻した」功績で2026年の自動車殿堂入りのひとりにトヨタ自動車の豊田章男会長を選出した。トヨタにとっては、豊田英二氏(1994年)、豊田章一郎氏(2007年)、豊田喜一郎氏(2018年)に次ぐ栄光だ。
それだけではない。トヨタ批判の急先鋒として知られた米ニューヨーク・タイムズ紙に代表される、「EVシフトに乗り遅れた周回遅れの企業」「温暖化ガス低減に熱心でない反動的な日本の会社」という評価が大きく変わってきた。
ニューヨーク・タイムズは未だに「やはりトヨタが正しかった」とは公に認めていないが、間接的には渋々「負け」を認めている。
たとえば同紙は、「一度は嘲笑され一蹴されたハイブリッド車の人気が高まる」と題された2025年6月の記事で、燃費や価格、乗り心地からトヨタの2025年型ハイランダーSUVを購入した中西部ミシガン州のセーラ・マートンズ氏の声を紹介。データを引用しながら、プリウスやRAV4などトヨタのハイブリッド車が米国でバカ売れしている現状を伝えた。
トランプ関税にも負けなかった
トヨタはトランプ関税にも負けなかった。
米自動車調査企業のコックス・オートモーティブの上席アナリストであるエリン・キーティング氏は、①インフレが高止まりする中でも6モデルの基本価格が3万ドル未満であり求めやすい、②高い信頼性によるブランド力の強化、③消費者にわかりやすいモデルの品揃え、④米国内での製造によるコスト抑制などを躍進の要因として挙げている。
キーティング氏は、消費者ファーストの目線を失わず、各市場の状況に応じてガソリン車、ハイブリッド車やEVなどをフルラインナップで提供するトヨタの全方位戦略(multiple powertrain pathways)が、最も多くの顧客ベースに届くことで成功を収めているとの見解を示している。

