エネルギーを作り出せる朝食がポイントに

問題は、どうやってNADを増やすか。

もっとも重要なポイントは、生体リズムを整えることです。そもそもNADは人が生きて活動する上で欠かせない物質であるため、サーカディアンリズムと呼ばれる1日の生体リズムにそって、寝ている間は減り、昼間の活動期は増えるからです。

もうひとつのポイントは、エネルギーを作る良質のたんぱく質、適量の脂質や糖質が含まれる朝食をしっかりとって、午前中にNADを増やすことです。

そこで、皆さんにおすすめしたいのが、朝食を、主食、主菜、副菜の組み合わせでバランスのとれた食事にして、エネルギーをしっかり作り出せるメニューにすること。

一般的に、栄養豊かでエネルギーがしっかりとれる食事といえば夕食、もしくは昼食という方が多いでしょう。朝食はコーヒーとトーストだけ、シリアルとジュースだけ、あるいは、ごはんとインスタントみそ汁と漬物だけなど、粗食にしてしまっている方は少なくありません。

コーヒーとトースト
写真=iStock.com/mashiro
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しかし、これでは十分な栄養もエネルギーもとれません。

粗食になりがちな朝食を、バランスがとれて、しかもエネルギーがしっかり確保できる食事にすることで、NADの体内での活性を高めることができるのです。

朝は忙しくてなかなか準備が大変だと思いますが、前日の夜や週末に作り置きをしたり、缶詰などを上手に使って、ぜひ、豊かな食卓を心がけてみてください。

「就寝前の牛乳やヨーグルト」は大間違い

老化により私たちに押し寄せてくる体調の変化はさまざまありますが、非常に多く聞かれるのが、「寝つきが悪くなった」「眠りが浅くて夜中に何度も目が覚める」「朝早く目覚めてしまう」といった、睡眠障害です。

これは、加齢により“睡眠のホルモン”と呼ばれるメラトニンの分泌量が下がることが大きな原因と考えられ、そのほか加齢による体内リズムの変化や、日中の活動量の低下なども関係しているようです。

でも、睡眠に悩みをお持ちの方のお話をうかがっているうちに、私はあることに気づきました。就寝前に、牛乳や飲むヨーグルトを飲んだり、ヨーグルトを食べたりしている人が意外と多いのです。

昔から、「眠れないときはホットミルクを」とよく言われていたので、就寝前に牛乳を飲んだほうがよく眠れると思い込まれているのかもしれません。

また、寝る前にお腹がすいてしまった場合、ヨーグルトならからだの負担にならないだろうと考えて食べている方や、翌日のお通じのために良かれと思って食べているという方もいらっしゃいました。

しかし、残念ながら、これらはいずれも正しくありません。よく眠るためには、とにかく就寝前は、何も食べないにこしたことはないからです。

牛乳もヨーグルトも乳製品なので、いずれも脂肪分が含まれています。脂肪分はすぐには消化されないため、ベッドに入ってからも胃腸は消化活動を行うことになります。

その結果、脳が寝ようとしても、からだは消化活動を続けなくてはならないため、寝つきが悪くなったり、睡眠の質を落とす原因になると考えられるわけです。