女性に多い「比較リッチ」&「アクティブリッチ」

富裕層全体では、男女比は80:20で男性が圧倒的に多い傾向にありますが、女性が比較的多いセグメントは「人の目が気になる、比較リッチ」、「こだわりが強い、アクティブリッチ」層であり、ともに約25%を占めています。

書影
株式会社インテージ『なぜ日本人は、それを選ぶのか? データで読み解く時間とお金の使い方』(朝日新書)

女性ならではのこだわりのファッションや、アクティブに行動する富裕層の女性の消費が見えてきます。

例えば、②の「こだわりが強い、アクティブリッチ」層は、自分の時間を大変大事にしており、時間をお金で買うこともいとわない志向を持っています。

例えば、時間短縮で浮いた時間に「スキルアップ」や「資産運用」ができるサービス、余暇を楽しむための「優先的な施設予約コンシェルジュ」など、時間を活用しさらに稼ぐ力につなげる、富裕層のニーズに応じた新しい商品やサービスの開発が考えられます。

このように、各セグメントの価値観や生活ぶりを理解して商品・サービスを提供することで、それぞれにとって「自分にぴったりの生活や人生を高めてくれる質の高い商品・サービス」と感じてもらえるはずです。

女性進出による「パワーファミリー」の増加

ここまで、金融資産1億円以上を保有する「富裕層」に着目してきました。

この「富裕層」の年齢構成比を確認すると、60~69歳が全体の43.0%、70~79歳が全体の17.2%を占める結果となっており、子育て中で現役として働きながら、レジャーや消費活動にも積極的な59歳以下の層は、少数派であることがわかります。

この項では、59歳以下の層の中でも購買力の高さで注目されている層について、実態を探っていきます。

「パワーファミリー」という言葉を聞いたことはないでしょうか。

物価高や円安の状況下でも購買力が高く市場をけん引する層として注目されている、世帯年収1500万以上の子どものいる世帯を指す言葉です。

パワーファミリーが増加している背景には、結婚後に退職せず、それまで正社員として働いていた企業で継続して勤務する女性が増加するなど、女性の社会進出が進んでいることが挙げられます。

国立社会保障・人口問題研究所の資料(国立社会保障・人口問題研究所「第15回出生動向基本調査」)によると、結婚後もそれまでの仕事を継続した女性は、1990~1994年には56.9%でしたが、2010~2014年には72.7%に増加しています。

また、内閣府の資料(内閣府「男女共同参画白書 令和5年版」)によると、有職者のフルタイムの割合も、20代女性では66.5%、30代女性では49.3%を占めています。