大谷翔平選手が二刀流をやるのも賛成

私のまわりを見ても「できる医者」ほど、多趣味な傾向があるように思います。「趣味のせいで本業が手抜きなのでは」と疑われがちですが、実態は逆です。ジャズピアノの腕前がプロ並みの医者が、名医と謳われていたりします。

和田秀樹『ストレスの9割は「脳の錯覚」』(青春出版社)
和田秀樹『ストレスの9割は「脳の錯覚」』(青春出版社)

自分が持っているスキーマを自覚できるのも、本業以外の活動をするメリットです。私自身、映画監督をやってみないとできなかった体験も、たくさんあります。

例えば「頭を下げる」体験です。よほどの売れっ子やメジャー監督は別にして、たくさんの人に頭を下げてお金を集めなければ、映画は作れません。

普段は医者として患者さんに頭を下げてもらえる立場ですが、自分がペコペコする立場になってみて、人の心がより理解できた気がします。選挙のときしか頭を下げない日本の政治家では、庶民の気持ちはわからないだろうと思います。

なので、メジャーリーグの大谷翔平選手が、二刀流をやるのも私は賛成です。

「どちらかに専念しろ」という声がいまだに根強く聞かれますが、ピッチャーをすることでバッターの「こうあるべき」が外れ、バッターをすることでピッチャーの「こうあるべき」が外れます。

おかげで、ピッチャーをするときにバッターの心理が読みやすく、バッターをするときピッチャーの心理を読みやすくなっているはず。バッターだけ、ピッチャーだけやっていては得難い経験です。

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