寝る前のアルコールは悪夢を招く
知ってのとおり、原始人類は何千年も前からアルコールを飲んでいた。コンゴのバヤカ族などの現代の狩猟採集民も社交と儀式の両方でアルコールを用いる。バヤカ族のアルコール摂取量は多い。
83人の部族のメンバーを対象とした調査では、44%以上が過度に飲酒していたことがわかった。男性メンバーは週に平均グラス10杯、女性メンバーは5〜6杯を摂取していた。参考までに、2006年の米国では1週間あたりの平均アルコール消費量は4単位、度数が5%のビールなら2リットルを少し下まわっていた。
寝つきをよくしようと寝酒を飲む人は世界中にたくさんいる。アルコールは実際、入眠改善の助けになるが、悪影響もある。夜の前半のレム睡眠の量が減少するのだ。
一方、目覚める前の最後の数時間はレム睡眠が多くなり、眠りは浅く断片的になりがちである。鮮明な夢を見たり、夢の内容を覚えていたりすることが多い。楽しい夢だけではない。アルコールを摂取することで悪夢を見ることも増えるからだ。
禁酒で2週間以内に不眠症は改善する
一晩飲酒すると、主観的および客観的な睡眠の質は著しく低下するようだ。夜の睡眠時間は平均1時間短くなる可能性が高くなり、中途覚醒の回数が増えることがわかっている。カフェインの場合と同様、実際に起きていることであるにもかかわらず、アルコールの摂取で睡眠の質が悪くなっていることに気づかない人も多い。
アルコールの摂取は夜の睡眠にどんな影響を及ぼすだろう? アルコールの乱用と不眠症は同時に起こる場合が多い。重度の飲酒者の約35〜70%が不眠症に悩まされており、就寝が遅く、眠りが浅く、中途覚醒が多い。
では、アルコールの乱用と不眠は一般的にどう関係していると言えるのだろう? 最近の双生児研究で、過度の飲酒は人生のあらゆる段階で不眠症と関連しており、過度の飲酒は不眠を導く可能性が高く、その逆ではないことがわかった。
つまり、夜の睡眠に関して言えば禁酒が効果的だ。過度の飲酒をやめたいと思ってもはじめは難しいかもしれない。最初の3〜5日間は眠りが浅くなり、中途覚醒の回数が増える。しかし、朗報もある。睡眠は1〜2週間以内に改善することが多い。すると、入眠が早くなり、長く眠れるようになる。



