コーヒー8杯以上飲む人は睡眠が平均40分短い

どうやらカフェインに対する感受性には明らかに個人差があり、大半の人はカフェインの摂取をかなり適切に調整できている。カフェインに敏感な人はコーヒーの量を多分控えめにしているのだ。

カフェインを極端に多く摂取した場合には、睡眠に影響が生じる可能性がある。コーヒーを1日に8杯(カフェイン800ミリグラム)以上飲む人は平均40分、睡眠時間が短くなる。日中、標準的な量のコーヒーを飲んでいる分には客観的な睡眠の質にほとんど影響はない。

習慣ともなんらかの関係があるのかもしれない。1週間毎日カフェインを摂取すると睡眠を妨げる影響は減少する。夜に多量に摂取する場合も同じだ。定期的に摂取していたカフェインをやめようとすると、一時的に夜の睡眠に悪影響を及ぼす可能性がある。影響に気づくまでにはかなり時間がかかり、通常、最後に摂取してから27時間以上経ってからである。

前述のように、人によってはカフェインに対して身体が敏感に反応することがある。コーヒーを一口飲むだけで興奮する場合もあり(そういう人はあまり飲まないだろう)、人口の約20%が該当する。

年齢にも関わりがある。年齢を経るにつれカフェインへの感受性は高まることがわかっている。中年の人が夜に400ミリグラムのカフェインを摂取すると、一般的に入眠にかかる時間が長くなり、睡眠時間は短くなり、睡眠の質が低下する。こうした影響は若者よりも大きい。

ニコチン依存が強いほど睡眠時間は短い

太古の狩猟採集民がニコチンを摂取していたことはわかっているが、彼らが植物であるタバコを喫煙していたのか噛んでいたのかは不明だ。

タバコの喫煙の最古の痕跡は西暦860年、先史時代よりずっと後だが、北米の遺跡から発掘された石製のパイプとその破片が当時のアメリカ先住民の喫煙を示唆している。

アカ族など現代の狩猟採集民の部族集団ではよく喫煙する。タバコはアメリカ大陸原産で、1600年代にヨーロッパ人によってアフリカに持ちこまれた。アカ族に伝わったのはずっと後の1800年頃で、喫煙は太古からの習慣ではないということになる。

ニコチンと睡眠の関係とは本質的にどういうものだろうか? 不眠タイプだとニコチン中毒になりやすい? それともその逆?

ニコチンが夜の睡眠に及ぼす影響は測定可能なようだ。ニコチンパッチを貼っている人は喫煙しない人に比べて睡眠時間が短く、レム睡眠とノンレム3という深い睡眠が少ない。ニコチンの分量が問題のようだ。ある実験的な環境では、ニコチンを大量に摂取した喫煙者の睡眠の状態は悪化した。

喫煙者はよく、タバコを吸うと気持ちが落ち着くと言うが、ニコチンにはやはり刺激作用があり、血圧と心拍数の上昇を引き起こして、睡眠に悪影響を及ぼす可能性がある。

実際、喫煙は客観的な睡眠の質の低下と、それ以上に入眠困難と関連している。ニコチン中毒が重度なほど睡眠時間は短くなり、覚醒時間は長くなる。

依存症の度合いを判断する一つの方法は、起床から最初の1本目のタバコを吸うまでの時間、つまり最初の喫煙までの時間を調べることだ。この時間が短いほど睡眠問題が増える。

禁煙はよいことだが、一時的に睡眠問題は悪化するかもしれない。影響は最大3週間続くことがある。

ベッドでタバコを吸う男性
写真=iStock.com/yamasan
※写真はイメージです