「同じシリーズでも色や形、素材、テーマの違いによって、見え方が変わるのも魅力のひとつです。この透明感が好きだな、この色の重なりがきれいだな、と見ているだけで楽しいんです」(シール大臣さん)

シール大臣さんが一番ワクワクするのは、新作が発売されるとき。透明感が売りのボンドロが、起毛素材やオーロラ加工など、異なる表現でも展開されたときは新鮮さを感じた。

新作が出るたびに、「今回も素敵だな」と思う。そしてまた次を待つ。

「好きなアーティストの新曲を待っている感覚に近いかもしれません」(シール大臣さん)

これまでのシール製造技術の“集大成”

クーリアによると、ボンドロは2026年2月末時点で累計出荷数2100万枚に達した。

同社は、1996年に創業して、アニメ化された「しずくちゃん」などの人気キャラクター、人気シールを多数生み出してきた。だが、社会現象といえる規模のヒットは初めてだという。

SNSでの拡散、キャラクターコラボ、メディア露出。いくつもの要素が重なり、想定を超えて広がった。通常、ヒット商品には人気の偏りが出るというが、ボンドロは違う。

「どの種類でも、出荷したらすぐ売り切れてしまいます」(同社広報担当者)

どれが一番人気か聞かれても答えられない。すべてが売れていく、異例の状態だ。同社は増産を続けている。

シール全体のブームへと広がった。動物のおしりがモチーフの「おしりシール」、水が入った「ウォーターシール」をはじめとした他シリーズも好評だという。

ヒットの裏側には、技術の進化があった。ボンドロを企画した、開発部デザイナーの山﨑菜央さん(29)は言う。

「ボンドロは、これまでの技術をすべて組み合わせて作った、全く新しいシールです」

シールの底に印刷するだけだと、上にのせた樹脂カプセルを通してプリントが歪んで見えてしまう。そこで取り入れたのが、2層に分けた印刷だ。