実験で「失敗してもこの程度か」と思える

試しに会社をサボってみる。好きな異性に声をかけてみる。上司に反論してみる。

どんなことでも結構ですが、「失敗したらどうしよう」と足がすくんだときは「失敗したら、どんな損を被るか」を計算してみましょう。

リスクも計算ができている人は、思い切った実験ができます。「失敗してもこの程度か」と思うと、腹をくくれるのです。

「上司に反論する」のも、会社員にしてみれば1つの実験です。煙たがられるかもしれませんし、異動させられるかもしれません。嫌がらせをされるかもしれない。

それでも、就業規則に違反しているわけでもないですから、最悪でもクビにはならないでしょう。

それに、同じ上司のもとで一生働くわけでもないのです。「失敗しても、その程度の損」だと読んでいれば、あれこれ試す気になれるのです。

和田秀樹が本をハイペースで書き続ける理由

私が本をたくさん書くのも、実験の1つです。

和田秀樹『ストレスの9割は「脳の錯覚」』(青春出版社)
和田秀樹『ストレスの9割は「脳の錯覚」』(青春出版社)

私はこれまで700〜800冊の本を書き、そのなかにはベストセラーになった本もありますが、「この本は確実に売れる」と思って書いたことはほとんどありません。どの本も実験だと思って書いているからです。

親切心からなのか、「和田さんはたくさん本を書きすぎているから、大きく売れないんですよ」と言われたことがあります。

量よりも質を重視して、1冊1冊を丁寧に作れば売れるというのですが、私は「なるべく多く打席に立つ」ことでヒットを狙うタイプ。あまり売れなかった本もなかにはありますが、10万部、20万部のヒットにも2年に1度くらいは恵まれています。

人間は、成功体験があったり、学歴が高かったり、よく勉強している人ほど、自分の頭のなかで考えたことに縛られ、現実が正しく認識できなくなります。そのままでは、変わりゆく現実についていけません。実験して、試してみないことには、現実がわからないのです。

私が本を書くのもそのための実験です。自分が頭のなかで考えていることに、縛られたくないのです。

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