コーヒー一杯で「気楽に話していい」空間を

タバコ部屋での会話は、タバコを吸うことと話すこと、この2つの行為を行ったり来たりしながら行われる“ながら会話”です。

タバコを吸うことが主目的なので、会話が消えたら吸って、煙を吐いたら話せばいいので間も持ちます。リラックスした状態ですので、落ち着いて相手に考えを伝えやすいというメリットもあります。

冒頭の会話は、タバコの代わりにコーヒーを用意した1on1ミーティングの対話例です。コーヒーがあることで「気楽に話していい」という雰囲気ができ、マネジャーが自分からプライベートの話を切り出すことで、部下も「プログラミングのスクールに通い始めた」ことを打ち明けてくれました。ここから部下の考えに耳を傾けて、対話を深めていきます。

新型コロナウイルスの影響で、飲み会も以前よりは減ってしまいました。最近の新入社員はコロナ禍の中で学生生活を過ごしていたため、サークルや友達との飲み会もほとんど経験せずに入社してくるというケースも珍しくありません。

マスクを着用して教室で勉強している女子学生
写真=iStock.com/metamorworks
※写真はイメージです

職場では普段話しづらいことも、少しアルコールが入った飲み会の場なら話しやすくなります。

先輩に話を聴いてもらったり、悩みを打ち明けたりと、飲み会の場がストレス発散の場になっていたことは確かです。

毎月定例の1on1ミーティングを設ける意味

タバコ部屋や飲み会が減ったことで、若い人が先輩に話を聴いてもらう機会が、昔に比べて少なくなったことは間違いありません。今後はDX(デジタルトランスフォーメーション)の進展により、人と人とのコミュニケーションが、さらに減っていくことが予想されます。

昔のような先輩とのリアルでのコミュニケーションの機会は、“努めて”設けようとしなければ、自然発生的にはなかなか復活しないと思います。

しかし、マネジャーが「部下とのコミュニケーションの機会を増やそう」と意識していても、日々の業務の忙しさから、つい後回しになりがちです。何人も部下がいる組織なら、コミュニケーションの頻度にも、必ず偏りが生じます。

マネジャーにも、気の合う部下と、苦手な部下がいますので、苦手な部下とのコミュニケーションは、どうしても少なくなりがちです。だから、毎月定例の1on1ミーティングを設けることに意味があるのです。

1on1ミーティングの場は、昔のタバコ部屋や飲み会の場のような雰囲気でも全然構わないのです。コロナやDXの進展により対面でのコミュニケーションの機会が少なくなったいま、1on1ミーティングの場は、マネジャーと部下が面と向かって気軽に話せる貴重な場です。

タバコ部屋や飲み会くらい、肩肘張らない1on1ミーティングを是非、目指してください。