部下の本音を引き出す上司はどんな対話をしているか。人材育成コンサルタントの竹野潤さんは「1on1ミーティングで、会議室でお互い向き合って『今日は何でも話していいぞ』と言ったら相手も戸惑ってしまう。部下のホンネにゆっくりと近づいていくために、最初の一言はオープンクエスチョンから始めるといい」という――。

※本稿は、竹野潤『離職率ゼロ!部下が辞めない1on1ミーティング!』(自由国民社)の一部を再編集したものです。

男女のビジネスマンが会議をしている
写真=iStock.com/gentlelight
※写真はイメージです

部下との1on1はタバコ部屋の「ノリ」で

マネジャー「まあ、コーヒーでも飲みながら気楽に話そうよ」
部下A「ありがとうございます、ではいただきます」
マネジャー「先週の休日は久しぶりに時間が取れたので釣りに行ってきたよ。Aさんは休日はゆっくり休めてる?」
部下A「はい、実はプログラミングスキルを身に付けようと思いまして、スクールに最近通い始めたんです」
マネジャー「そうなんだ。なんでプログラミングスキルを学ぼうと思ったの?」
部下A「もともと興味があったんです。将来的にはIT関連の部署も経験してみたいなと思って、思い切って始めてみました」

部下を持つマネジャーのみなさんは、自分の部下と気楽に話す機会がどれくらいあるでしょうか? 自席から気軽に部下に声をかけたり、部下の席まで移動して話しかけたりと、部下とのコミュニケーションを意識している人も多いでしょう。しかし、部下としては、周りの同僚の目がある中でマネジャーと腹を割って話そうという気持ちにはなかなかなりにくいものです。

一昔前までは、だいたいどこの会社にも設置されていた喫煙スペース、いわゆる“タバコ部屋”も、喫煙者の減少から廃止・または縮小する会社が増えました。私はタバコをやめてからしばらく経ちますが、若い時はタバコ部屋で先輩や同僚とよく話をしていました。

タバコ部屋には他の課の先輩も集まるので、だいたい「最近どう?」と先輩から話しかけられて会話が始まることが多かったと思います。

「最近どう?」なので、テーマは決まっていません。仕事が忙しいのか、困っているのか。そもそも仕事の話なのかプライベートの話なのかも決まっていません。私にとって“タバコ部屋”は、何でも気軽に話せる貴重な空間でした。