高市首相とトランプ大統領による日米首脳会談について、欧米メディアはどのような評価を下したのか。NY在住ジャーナリストのシェリーめぐみさんは「高市首相の『媚びるような振る舞い』を問題視する日本メディアと違い、欧米メディアは『戦略』として評価している」という――。
日本では「媚びすぎ」評価が飛び交った日米首脳会談
ホワイトハウスで開かれた日米首脳会談での高市首相のトランプ大統領に対する振る舞いをめぐって、日本とアメリカの評価は大きく分かれた。
日本では、「あれは媚びすぎではないか」「見ていて不快だ」といった違和感が広がった。トランプ氏の真珠湾ジョークに反論しなかったことは「弱さ」と受け取られ、繰り返された賞賛の言葉は「媚び」と映った。さらに、抱きつくようなハグやディナーでの親密な振る舞いは、「一国の首脳としての品位を欠く」とする批判も少なくなかった。
しかしトランプのアメリカでは、この振る舞いは全く異なる意味を持つ。
むしろ賞賛されたと言ってもいい。
英語圏の報道やSNSの反応を見ながら、その背景を考えたい。
NYタイムズ「高市首相は魅力という戦術に頼った」
ニューヨーク・タイムズは、「魅力と抑制を駆使し、日本の首相はトランプの怒りをほぼ回避」という見出しで、初のホワイトハウス訪問を「ほぼ無傷で乗り切った」と伝えた。欧州の同盟国が浴びせられてきたような非難を避けつつ、米国内のエネルギー事業への最大730億ドルの投資など、協力分野を強調した点を認めている。
また首相がトランプ氏を繰り返し称賛し、「世界に平和をもたらせるのは、ドナルド、あなただけだと確信しています」と語ったことについては、「彼女はこれまでも一貫して用いてきた“魅力(charm)”という戦術に頼った」と指摘している。
外交問題評議会のシーラ・A・スミス氏も「彼女はこの瞬間に何が求められているかを理解し、それを実行した」と述べ、この会談を日本にとって成功と位置付けている。
ここで重要なのは、これらが「媚び」ではなく、戦略として説明されている点である。

