飛び跳ねる高市首相は「キュート」
日本で批判を集めた高市首相の「振る舞い」は、主流メディアではほとんど論点にならなかった。
トランプ氏に対する飛びつくようなハグ、互いに腰に手を回しながら歩く後ろ姿、夕食会で踊るように喜びを表現する姿。こうしたビデオや写真に対し、むしろ強く反応したのはMAGA(トランプ支持者)のSNSだった。
インフルエンサーのローラ・ルーマーは、「彼女はなぜこんなにキュートなの」というコメント付きで、トランプ氏と並んで映る写真を投稿した。
ホワイトハウスのレビット報道官は、2人が腰に手を回して歩く写真に「この写真大好き。日本も大好き」とコメント。
I love this photo, and we love Japan!
— Karoline Leavitt (@PressSec) March 20, 2026
pic.twitter.com/no3mRx4j3H
140万人のフォロワーを持つMAGA Voiceは踊る高市氏の写真に「日本の首相は私の大好きなリーダーの1人」と表現した。
こうした反応は、日本のリーダーに対しては異例だ。
逆に、批判する声はほとんど見かけない。
アメリカの「振る舞いは個人の自由」という価値観
背景には、「振る舞いは個人の自由」という価値観がある。アメリカ社会では、媚びる男性もいれば、セクシーな魅力や親しみやすさを武器にする女性政治家もいる。もちろん批判を受けることもあるが、少なくとも今回のようなトランプ周辺の政治文化では、振る舞いそのものより、忠誠や親密さの演出が優先されやすい。
むしろ、それを批判することのほうが、「こうあるべきだ」という規範の押し付けと受け取られる。特にリベラルな価値観の強い文脈では、女性に対して「その振る舞いは不適切だ」と言えば、それ自体がミソジニーと見なされるリスクすらある。
一方で、アメリカが強く反応するのは別のポイント、同盟国に対する侮辱や、力関係の乱用という「リスペクトのなさ=品位のなさ」である。だからこそ今回批判の対象になったのは、高市首相ではなくトランプ氏の発言のほうだった。
ただし、トランプのアメリカでは、品位よりも成果が優先されるという現実もある。
