“心配りはする”けれど“心配はしない”

私は長い間かけて作り上げた信頼を一瞬で壊す裏切りはなるべくしないようにと心がける一方で、相手の状況が変化して裏切られることは、思っているより簡単に起きると覚悟しています。

名取芳彦『グズを直す本』(三笠書房)
名取芳彦『グズを直す本』(三笠書房)

だれかに心配してもらったら、なるべく心配をかけないようにしようとは思います。ですが私は、自分はだれかに“心配りはする”けれど“心配はしない”と決めています。

私たちは、相手がこちらの思っている状態でない時に心配します。いわば、心配するのは自分の思いを相手に“押しつける行為”なのです。

心配しているのに相手がそれに反応をしなければ、「せっかく心配してあげたのに」と愚痴が出ます。そして「じゃ、もう知らないからね」と開き直ってしまいます。どちらも心が乱れている状態で、私が目指す心おだやかな状態ではありません。

こうした考えから、私はなるべく不義理はしないように心がけますが、相手に不義理をされても、梵天耳掻きのお尻についている羽毛を揺らす風ほどにも感じないようになりました。

不義理をしたことに気づいた時の気まずさを「敷居が鴨居になる(敷居が鴨居ほども高くなるために、ある場所に出入りしにくくなってしまうこと)」と言いますが、病気をしてしまった、超がつくほど多忙になったなどの状況の変化により、多少の不義理は仕方がありません。

別の機会に、別の方法で、本人に直接でなくても、別のだれかにご恩返しをしても、長い意味、広い意味で、義理に報いた、恩返ししたとしていいでしょう。義理は少しくらい薄めても、社会の潤滑油としての効果はあるのです。

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