「不平不満」の意外なメリット

さて、「不平不満」も、自分の都合通りになっていないことが原因です。

不平や不満を抱くことは、必ずしも悪いことではありません。それをきっかけにして問題が解決できるケースは数多くあります。お客さまアンケートを実施している店舗などは、その好例でしょう。

仏教にも“煩悩即菩提”という考え方があります。「心を乱す考え方」のことを煩悩と呼びますが、心が乱れる原因を探って解決していけば悟り(菩提)につながるため、煩悩を頭ごなしに否定しなくてもよい、とする教えです。

しかし、日常生活で問題になるのは、不平不満ばかり口にする人でしょう。

不平不満のネガティブな感情は周囲に対して強力な伝染力を持っています。晴れた日に犬の散歩をしている人を微笑ましく眺めている横で「動物愛護を声高に叫んでいる人間がさ、シルクの服を着たり、A5ランクの牛肉に舌鼓を打ったりしているんだよ。おかしいでしょ」と言われれば、そのネガティブの波動に笑顔も凍りつきます。

このように、不平不満にはデメリットもあります。

特に私が辟易するのは、自分では解決できない、解決する気もないような不平不満を無責任に言う人です。

こうした人には、よく話題になる「モンスタークレーマー」に似た傾向が見られます。その特徴をいくつかあげてみましょう。

まず、自分を賢いと思い込み、優位に立ちたい(マウントを取りたい)と願う人。「君は気づいていないけど、これは変だよね」などと、自分の特別さや賢さを示したいのです。

こうした人は、自分を認めさせたいという自己承認欲求が強い反面、自己肯定感が低い傾向があります。

レストランでビールを飲むビジネスマンたち
写真=iStock.com/pain au chocolat
※写真はイメージです

「考えてみればあの人も大変だね」と言えるか

自己肯定感が高ければ、相手より優位に立って注目されようとはしないでしょう。「注目されたいという願いほど平凡なものはない」(オリバー・ホームズ)という言葉を噛みしめ、世界に一人だけの自分を意識して肯定できたらいいと思います。

他にも、相手の事情を察せないほど想像力に乏しい、自己中心的なタイプ。目の前の状況からしか物事を判断できず、相手の事情などお構いなしで、「考えてみればあの人も大変だね」とは言えない人です。

そうした人は、とことん相手に関心を持つ時間を作ると、他者への想像力を養うことができるでしょう。

あとは、ささいなミスも許せない完璧主義者や、正義感がとても強い人。「私はやっているのに、どうしてあなたはできないのだ」と、自分ができることは他人もできるはずだと強要します。このような強要こそが人としての欠点であり、完璧にはほど遠いことに気づけたら、心の負担は減るでしょう。

こうしたさまざまな不平不満のメリットとデメリットを意識して、上手に処理していきたいものです。