「言葉の安売り」はブーメランとなって返ってくる

強い断定語は、時にブーメランとなって自分に返ってくる。それが、もっともわかりやすくハマるのは恋愛の話かもしれない。

「一生キミとは絶対に別れない」「オマエをマジで愛してる」「アナタには100%ウソはつかない」

言葉を投げかけている側は優しさのつもりで言っている。受け取る側も嬉しい。

でも、この誓約はだいたい破綻する。

なぜなら、心の底から「あなたのことがいちばん好きです」と言っている人も、上っ面の言葉でサービス精神から言っている人も、不倫をする人はするし、しない人はしないからだ。

ここでのポイントは、不倫の善し悪しではない。

言葉の精度の問題だ。

人間の感情は同時に走る。奥さんも好き。子どもも大事。友達も大事。趣味も大事。でも、不倫相手も好き。

それなのに「100%」と言い切るのは、全体の割合と数字が合わない。

サービス精神が高じて、あまりに言葉を安売りしすぎているのだ。

強い断定語は、相手を安心させるために使っている、その場しのぎの逃げ口上にすぎない。だから、「あのとき、たしかそう言ってたよね?」「言ってることとやっていることが全然違うじゃん!」と激しく突っ込まれるような事態に陥ったら、説明したり、訂正したり、謝ったり、必ず帳尻を合わせるための「回収」が必要になる。

追求に耐え切れず、前言を撤回することになるなら、そんなハッタリは、最初から言わないほうが無難だ。

ひろゆき氏
提供=徳間書店

ひろゆき「僕が正直でいるのはコスパがいいから」

ウソもそうだが、僕は不正確なことを言うのがあまり好きではない。そもそも感覚として、不正確なことがあまり思考の中に浮かんでこないのだ。

だから、僕は正直でいい。他人の目を気にして品行方正に振る舞おうとしているわけじゃない。ウソも、雑な断定も、運用コストが高いから言わないだけなのだ。

・ウソも強い断定語も、言ったことを貫き通すためには高度なマネジメント能力が必要
・ウソも強い断定語も、設定管理には記憶力が必須
・両者とも一度言葉にして発したら、将来にわたって注意深く生きなければならない

正直でいることは「良い人」の証明ではない。圧倒的にコスパがいいから正直でいるのだ。リソースは有限であり、別のことに使ったほうがいい。

正直でいることは、人生をラクにするための最適化なのである。