対外直接投資の受け入れを通じて名目GDPを急増

民族資本の育成よりも外国資本による工業化に基づく発展戦略を描き、それを実現したがゆえの現象ともいえよう。

こうした発展戦略が経済の高成長を生んだことは確かだが、一方でGDPとGNIのズレが示すように、アイルランドの実際の所得はGDP統計が示すほど増加していない。そのため、同国の経済指標は過大に健全に評価されることになる。

その代表的な指標の一つに公的債務残高の名目GDP比率がある。一般的に、公的債務残高の健全性はGDPとの対比で評価され、EUでは60%がその目安とされている(※1)