百貨店の優位性を破壊した「変化」
――1999年株主総会(00:34:15)――
【マンガー】技術革新が特定のビジネスを破壊するかどうかを予測するのは難しいものです。私が若い頃、百貨店には一種の独占的な優位性がいくつかありました。路面電車の乗り換え地点という街の中心に位置していたこと。月賦払いという一種の独占的なサービスを提供していたこと。そして、どんな天候でも一度に買い物を済ませられるという利便性があったことです。
それらは誰にも真似できないことでした。そして、百貨店はこれら3つの優位性をすべて失いました。それでも、その多くはその後何十年にもわたってうまくやってきました。
一方で、変化が起きて破壊されることもあります。私たちのトレーディングスタンプ事業は、経済環境の変化によって破壊されました。私たちの百科事典事業、ワールド・ブックは、パソコンやCD-ROMなどによって深刻な打撃を受けてきました。変化が大きなリスクであることは認めますが、確度の高い予測をすることは簡単ではありません。
【バフェット】オマハの16番街とファーナム通りの交差点に行くと、かつて路面電車の線路が交差していた場所を見ることができます。そこは街で最高の立地でした。人々はそこで、50年や100年の賃貸契約を結んでいました。路面電車の路線が動くことはないだろうから、これ以上安全な投資はないように思えました。
ところが、唯一変化したのは、路面電車そのものだったのです。路面電車は廃止され、がらくたになってしまいました。あんなに永続的に見えていたのにね。
バフェットですら「予測できない」10年後の世界
シカゴのマーシャル・フィールズやニューヨークのメイシーズといった巨大百貨店の優位性は、信じられないほどの商品の幅広さでした。そこに行けば、300種類の縫い糸や、500種類のウェディングドレスなど、何でも見つけることができました。そして、延床面積10万平方メートルや20万平方メートルの市街地の店舗は、巨大な商業施設でした(訳注:日本で主流の、テナントが多数入居している「百貨店」とは異なり、かつてのアメリカの百貨店は、ひとつの企業が運営する、巨大な単一の店舗だった)。
ところがその後、郊外型ショッピングモールが登場し、多くの店が寄り集まった「店舗」が実際に誕生したのです。これによって、同じく信じられないほど多様な商品が、今度は何十万平方メートルもの広大な敷地で提供されるようになったのです。
インターネットは、あなたのパソコン上の店舗になります。そして、それもまた信じられないほど多様な商品を提供しています。その中には、オンラインでの小売にあまり適していないように思えるものもあります。
しかし、チャーリーがいうように、それが今後どうなるかを正確に予測するのは難しいのです。自動車の小売業は、これからいくつかの重要な点で変わっていくと私は見ています。そして、その変化の大部分は、インターネットの影響を非常に大きく受けるでしょう。しかし、今から10年後や15年後にどうなっているのか、正確に予測することはできません。
