頭が良くても「仕事のできない人」は何が問題か

Hさんは抜群に頭がいい人でした。ですが、頭がいいからHさんを「仕事ができる人」と思っていたわけではないと思います。Hさんがいるおかげで、いろんな人たちの負荷が減って助かるから「すごい」んです。

すごく頭がよくても、パワハラ、モラハラなどをしてまわりの負荷(ストレス・余計なタスク)を増やしている人もいます。

その人たちは「仕事ができる人」とは評価されません。あくまでも、自分の能力を「相手の負荷を減らすこと」に使っている人、そして負荷を減らせている人が「仕事ができる人」です。もちろんHさんもチームメンバーに仕事を振ることはあります。しかしそれは自分の負荷を減らすためではなく、チーム全体として誰か他の人の負荷を減らすためにしていることなんです。

「仕事が早い人=優秀」というイメージがあるのは、その人が早く仕事を終わらせることで、周囲が助かるからです。その人が早く帰れるからではなく、その人がタスクを早く仕上げることで、周囲がよりスムーズに仕事を進められるからです。

逆に「仕事が遅い人」が嫌がられるのは、その人が終わるまでまわりが待っていなければいけないから、まわりの負担が増えるから、なのです。

若い日の自分が勘違いしていたこと

振り返ってみると、なぜ当時のぼくがどれだけがんばっても仕事ができる人になれなかったのかがよくわかります。

木暮太一『仕事ができる人の頭のなか』(ダイヤモンド社)
木暮太一『仕事ができる人の頭のなか』(ダイヤモンド社)

ぼくは英語の勉強をしていました。海外経験はありませんが帰国子女クラスに入れるくらいに上達していました。でも、その英語力を誰かの負荷を減らすために使ってはいませんでした。

簿記も勉強しました。でも、ぼくが簿記の知識を身につけても、誰の負荷も減らせはしませんでした。

経営者マインドを身につけるために、MBA理論を勉強したり、プレゼンを勉強したりしました。でも、それは自分を賢そうに見せるためで、「誰かのために」とは考えていませんでした。

むしろ逆に、「できるだけ人に任せよう」「仕組化させよう」など、自分の負荷を減らすことを考えていたんです。これでは、いつまでたっても「仕事ができる人」にならないんです。

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