半兵衛は防御を固めていた

単独の一本竪堀は、主郭北側の急斜面そばにも。これもなかなかのサイズだが、注目すべきはその位置だ。

右上に伸びる崖縁の上が主郭
撮影=今泉慎一(風来堂)
右上に伸びる崖縁の上が主郭

急斜面に竪堀を設け凸凹にし、登りにくくするのは山城では防御セオリーのひとつ。複数の竪堀で斜面を埋め尽くす畝状竪堀群にすれば、さらに防御力はアップする。だがここの場合、数十mにわたって続く急斜面の中央部あたりに、一本だけ。

急斜面はおそらく、人工的に削って角度を増す切岸加工が加えられている。まるで切岸に突き刺さるがごとき竪堀。これはいったいなんなのだろう。

ありえない位置に畝状竪堀の謎

城域の南側に回ってみると、今度は巨大な堀切に遭遇する。落差は4~5mはあるだろうか。

足を滑らせると転げ落ちそうな大堀切
撮影=今泉慎一(風来堂)
足を滑らせると転げ落ちそうな大堀切

ほぼ垂直に切り立っていて、高低差も大きい。間違いなく城内で最も深い堀切だ。先ほどの北の大堀切と対になって両サイドをがっちりと守っている。ここはセオリー通りか。

と見せかけて、大堀切を乗り越えさらにその先に進むと、眼下にまた新たな堀切が出現。

尾根は幅10数mあるが両端まで堀切が伸びる
撮影=今泉慎一(風来堂)
尾根は幅十数mあるが両端まで堀切が伸びる