登ってくる敵を挟み撃ちにする

そしてよくよく観察してみると、二つの空堀はY字に合流しているように見える。そして合流した先の堀底は、崖下から登ってくる登城路に接続している。

手前の空堀がうねりながら奥で別の堀と合流している
撮影=今泉慎一(風来堂)
手前の空堀がうねりながら奥で別の堀と合流している
Y字の下端、崖を登りきったあたりから
撮影=今泉慎一(風来堂)
Y字の下端、崖を登りきったあたりから

そこを挟み撃ちにする構造だと思えば、一応納得はできなくもない。つまり、幅を狭め、侵入する敵の勢いを削ぐための構造、虎口こぐちになっているのだ。複雑に折れているという意味では、食違い虎口の一種と言える。

とはいえ、一般的な食違い虎口はL字と逆L字を互い違いに組み合わせた形状だから、やはり菩提山城ならではのオリジナリティあふれる構造だという点は変わりない。

巨大だがどこかおかしい遺構群

主郭北側には尾根が伸びている。車で中腹まで登ってきた場合、登山口からこの尾根へと続いている。主郭ほぼ直下には、長大な空堀が見える。

大空堀の正面にそびえるのが主郭
撮影=今泉慎一(風来堂)
大空堀の正面にそびえるのが主郭

堀幅も深さも先ほどの数倍はあり、圧倒的なインパクト。その脇へと目をやれば、今度は自然の地形を加工したと思しき竪堀も一本。こちらも負けず劣らずのサイズ感。

元は自然の谷状地形だがしっかりと掘削されている
撮影=今泉慎一(風来堂)
元は自然の谷状地形だがしっかりと掘削されている