大手スーパーの進出をものともせず客単価増
客単価は、2022年の1229円からわずか3年で1461円へと大幅に伸ばした。
一方、客数は安売りによる集客をやめた影響もあり、2023年から24年にかけて減少している。24年夏には至近距離に大手スーパーが出店したことも重なった。ただし減少幅は小さく、新たな客層の来店増によって客数が維持されていると見ることもできる。
この客数と客単価の動きから読み取れるのは、客層が大きく入れ替わったということだ。安売り中心だった時代は、特売品を買いに来る顧客が主流だった。しかし、品揃えを高付加価値路線へ転換したことで、価格重視の顧客は減少し、代わって「おいしさ」や「食の安心安全」といった価値重視の顧客が増加した。
売れる商品構成も変わった。ナショナルブランドのインスタント麺や冷凍食品は売上が半減する一方で、「自然の味そのまんま」などの商品は売上が2倍以上に伸びた。
結果として、客数は微減でありながらも、客単価の上昇によって赤字体質から完全に脱却することに成功した。
「食の安全安心」を守る戦士は今日もインスタで発信する
春田さんは、食品を取り扱うスーパーマーケットの責任として、「食の安心安全」を社会に根付かせたいと本気で考え、行動している。
「『失ってからでは二度と取り戻すことはできない、大切な人の健康と命。これを守り、末永い“おいしさ”と“笑顔”と“幸せ”を作っていく』。これがハルタの使命だと思っています」
その思いは、SNSでの情報発信にとどまらない。春田さんは、食や健康をテーマにしたリアルの活動にも積極的に関わっている。
現在は「一般社団法人食の未来・鹿児島」「鹿児島県のオーガニック給食をすすめる会」の理事を務めるほか、予防医学の医師たち、助産師、発達支援施設などとも連携し、正しい食の在り方を伝えるイベントを頻繁に開催している。これらはハルタの経営のためというより、世のため人のため、稲盛和夫氏に学んだ「利他」の実践といえるだろう。
Instagramで春田さんはさまざまな表情を見せる。あるときは「食の安心安全」を守るために戦う戦士のようであり、あるときは「食の豊かさ」を無邪気に喜ぶ子どものようだ。波瀾万丈の半生を経て、春田さんは今日も突き抜けた表情でスマホのカメラの前に立つ。



