日本の町工場はまだ世界で戦える
安さを求めて海外へ出れば、短期的には企業の利益は増えるかもしれない。しかし、国内のプレイヤーが減れば、巡り巡って自分たちの首を絞めることになる。
そんな「日本製がま口財布」を担いで、販路開拓に動いているのが、冒頭でも触れた、東京・日本橋にある創業123年の総合卸問屋「エトワール海渡」だ。全国各地のものづくりメーカー約2500社と、国内外1万店の小売店をつなぐ老舗である。
両社の関係は深い。父の桝本商店とは1970年から、コルバとは1999年から取引を始め、過去25年にわたってオリジナルのがま口財布の生産を委託してきた。冒頭で触れたアジア市場での快進撃は、職人の手仕事を守るコルバと、それを強力な流通網で世界へ運ぶエトワール海渡、この両輪がかみ合うことで実現したものだ。
人口減少が進む日本において、コルバのように風土に根ざした国内メーカーの品を海外へ届けていくことが、目下、エトワールが注力する目標でもある。
大阪の町工場が貫いた、中国に行かず、親の会社にも入らないという「二度の逆張り」は、失われた30年を取り戻そうとする日本企業にとって、一つの「解」を示している。作る人と売る人が、それぞれの領分で「道」を極めること。そうすれば、日本の製造業はまだまだ世界で戦えるのだ。
(初公開日:2026年1月27日)


