「人気者」から「カリスマ的リーダー」へ

推し活選挙の弱点というか注意点として、あくまで推している人たちは「外の人」でしかない、という点がある。サナエ推しの人々が、議員の教育や選挙後の党内マネジメントに寄与しうるわけがない。少なくとも直接は関与できない。その意味で、人気は無力である。

よってこれからの高市氏は、人気にとどまらないカリスマ性や、巨大化した組織をやりくりするリーダーシップが必須となる。

ペンローズ効果や企業組織からも学べるのは、組織のリーダーシップは単独で発揮する必要はないという点だ。シェアード(分有型)リーダーシップといって、リーダーシップを集団の機能としてみなすアイデアは、経営学では一般的なものとなっている。

やや古い例として、1999年より企業再建のために「日産リバイバルプラン」を実行したカルロス・ゴーン氏がいる。彼はカリスマ的なリーダーとしてメディアに露出しながらも、若手を抜擢して「クロス・ファンクショナル・チーム」と呼ばれる組織横断型のチームを編成していた。リーダーシップはチームで発揮できるものでもあるのだ。

サナエが真っ先にやるべきこと

自民党にとっての成長が停滞しないためには、経営者サービスが減退しないようにするためには、いかにトップ・マネジメント・チームを作るかが肝要であろう。閣僚や行政との結節点のみならず、党組織をまとめあげ、育てる体制が必要である。ある個人が目立っているとき、その個人がどういうチームやネットワークを有しているかに着眼するのが、組織論の基本だからだ。

高市氏は2月20日に施政方針演説を行い、昨年話題になった自らのフレーズをもじって宣った。

「とにかく成長のスイッチを押して、押して、押して、押して、押しまくってまいります」

衆院本会議で施政方針演説をする高市早苗首相=2026年2月20日、国会内
写真=時事通信フォト
衆院本会議で施政方針演説をする高市早苗首相=2026年2月20日、国会内

もしペンローズならば――奇しくも、時代背景としては珍しくペンローズも女性であった――忠言を授けるだろう。「成長を連続させることは、非常に難しいのであるよ」と。経済にせよ党組織であるにせよ、である。

成長、成長と息巻く前に、足元の組織を、「身内」をしっかりマネジメントせねばならないのだ。

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