軍艦巻きやチラシ寿司の具材として使われる「とびっこ」が今、高級化しつつある。時事通信社水産部の川本大吾部長は「かつて魚市場では『まがいもの』とみなされたこともあったが、現在は国内人気も海外需要も上昇し、原材料価格が高騰。代わりにカズノコのバラコが使われる逆転現象すら起こっている」という――。
とびっこ寿司
写真=iStock.com/CQYoung
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原料は海外産のトビウオの卵

プチプチっと弾ける食感と鮮やかなオレンジ色が特徴の「とびっこ」。軍艦巻き、ちらし寿司といった寿司ネタを中心に、パスタやサラダなど、多くの料理に活用される万能な食材だ。

とびっこはその名の通りトビウオの子(卵)で、回収した小さな卵に着色、味付けして製品化されている。トビウオは日本でも各地で漁獲されるが、とびっこの原料は外国産だ。ペルーやインドネシアで獲れるトビウオの卵が主な原料で、神奈川県や兵庫県、宮城県などの水産加工メーカーが製品化して販売している。

とびっこのデビューは、今から50年以上前。1925年創業の水産加工メーカー「かね徳」(兵庫県芦屋市)が、インドネシア産の原料を基に開発したのが始まりだ。

ちなみに、聞き慣れた「とびっこ」という商品名は、かね徳の登録商標である。そのため、ほかでは「とびこ」や「とびらん」などと呼ばれたり、読み方は同じだが「とびっ子」として製造・販売されていたりする。

とびっこの手巻き寿司
画像提供=かね徳
とびっこの手巻き寿司