不十分ではあるが…

基準解説書の素案からチェック点を一部抜粋する。

・生態と習性に応じた遊具、止まり木、砂場、水浴び場、休息ができる設備
・ケージなどの清掃、残さ、汚物などの適切な処理
・客との接触、客からの視線と照明・音響にさらされる状態を避け、触れ合い施設では1時間以上の休息時間――などが設けられているか

前出の町屋獣医師は基準案に以下の点を加えることを提案する。例えば

・店舗では、各動物種の生理、生態、習性などについて専門知識を持つ人材の配置と、2~3時間に1回は店内を巡回し、各個体の状態を把握して適切な管理ができる従業員数の確保。行政職員も知識を持ち、必要に応じて外部の専門家に相談する

・幼い動物は体温調節能力が未熟で免疫機能が弱く、ストレスや温度変化に極めて弱い。人との過剰な接触があると異常行動や疾病を引き起こすリスクが高まるため、原則として接触対象から外す

・環境エンリッチメント(種本来の行動を引き出すための工夫)への配慮が不可欠

・国際取引が禁止されているコツメカワウソなどが国内で繁殖・販売されている場合、関連する法律を明確に記載する

などだ。

以上のように、策定中の飼育基準には不十分な点が多い。とは言え、数値を含むものができたのは一歩前進だ。環境省は「11種は数値が定まっていないだけで行政指導の対象。それ以外はケースバイケースで自治体が判断する」としている。新基準によってどこまで適切に行政指導がされ、不適切な点が改善されるのか不安は尽きないが、推移をウォッチしていく必要がある。

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