これ狭すぎない?
ハリネズミカフェでは、小さな園芸用ポットのような容器の中に2匹が頭を突っ込んで眠っていた。狭過ぎてもう1匹は体半分が出ているが、客は引っ張り出してえさをあげている。「かわいい」と目を細めていたが、ハリネズミは夜行性だ。日中は穴の中で過ごし、夜になると活発に活動し、よじ登ったり、穴を掘ったり、泳いだりする。神経質で小さな物音や気配を感じるだけで警戒する。
コウモリは羽を広げることしかできない程度の狭いケージの上方にぶら下がっていた。他の客も「これ狭過ぎない?」という会話をかわしていたほどだ。コウモリはパタパタと羽を広げたり空になったえさ皿を爪で持ち上げたりする動作を繰り返していた。この様子に私はショックを受けた。
野生動物学が専門の研究者は「狭い環境や退屈などストレス下で同じ動作を続ける常同行動と思われる」と指摘する。
1メートル四方のケージで暮らすナマケモノ
カワウソ、カピバラなど水辺のほ乳類も本来の生態が無視され、室内で触れ合いの対象になっていた。
ある店では、「人慣れしていない」(店員談)カワウソは、深さ10センチ程度水を入れたプラスチック製の水槽の中で飼われ、他の「人慣れしている」(同)個体は触れ合い専用にされていた。カワウソは河川や海岸付近で生きるイタチ科の動物で、足には水かきが付いている。しかし、人間の赤ちゃん用のような浴槽では十分に泳ぐこともできない。
ナマケモノもよく見掛けた。本来は、長い爪を枝に引っ掛けすいすい動く。が、店では縦横幅1メートル余りほどのケージの中で、かぎ爪を金網に絡ませて左右に行ったり来たりするしかない。店員は「元々野生にいたみたいで、店に来て5年たつ」と話した。
スナネコは10分間500円でなでられるシステムで、いきなり現れた人間に「シャー、シャー」と威嚇していた。スナネコはなつかない。イエネコと違い、昼間は巣穴で休み夜は狩りに出掛け、げっ歯類やトカゲ、ヘビなどを食べる野生種であり、牙は鋭く、気性は荒い。

