「旬」をいただく――“心の栄養”をチャージする感覚で

私たちは、「いつでもどこでも、好きなものが手に入る時代」に生きています。

「食」に関しても、栽培や保存の技術が上がったおかげで、「一年中、食べられるもの」がかなり増えました。

枡野俊明『疲れない心をつくる休息の作法』(三笠書房)
枡野俊明『疲れない心をつくる休息の作法』(三笠書房)

それ自体はありがたいことなのですが、禅的養生訓の観点からは、できるだけ「旬のものをいただく」ことをおすすめします。

同じ食べ物でも旬にいただいたほうが、シンプルに栄養価が高いことはもちろん、「自然の恵み」のありがたみをより強く感じることができて、心身が整うのです。

もっといえば、旬のものは、

「この世のすべてのものは、単独で存在しているのではなく、互いに関わり合って存在している」

という仏教の「諸法無我」の教えそのものです。

たとえば、みずみずしい夏野菜を口にするとき――。私たちは、たんにその野菜だけを食べているのではなく、太陽の光、雨、土、そしてそれを育てた人の手といった「無数の縁が結びついてできた命」をいただいています。

そうした「ご縁」に喜びを感じながら食事をいただけば、お腹だけでなく、心も幸福感で満たされます。つまり旬のものは、「心の栄養」にもなる、ということです。

もちろん、食卓に並ぶすべての食材を旬のものにするのは難しいでしょう。

ですから、「旬のものを半分、取り入れる」くらいの感覚で、食事を楽しむのがおすすめです。

これまでの話とあわせて、「量より質」をキーワードに、ぜひとも食生活を見直してみてください。

(初公開日:2026年1月23日)

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